化学系の本

社会のなかに潜む毒物

Anthony T.Tu

タバコやハウスシックなど日常生活にも毒は潜んでいる。クスリだって使い方を誤れば中毒や死に至ることもある。海の中ではクラゲに要注意。本書を読めば、身の回りには危険な毒がいっぱいあると気づかされる。それから身を守る方法もわかる。 (東京化学同人)



有機化学美術館へようこそ 分子の世界の造形とドラマ

佐藤健太郎

著者が運営している有機化学美術館(http://www.org-chem.org/yuuki/yuuki.html)というウェブサイトを基に、面白く美しい有機分子とその性質について紹介。その構造の美しさにフォーカスしている。有機分子は、炭素の結合が4本であることを理由にとにかく多様性に富んだ構造をしている。化学者の間でも「美しい分子は高い機能を持つ」と考えている人も多く、本書を読めば、有機化学の一端を垣間見ることができるだろう。 (技術評論社)



錯体のはなし

渡部正利、山崎昶、河野博之

錯体とは、金属イオンのまわりに分子やイオンが結合したものであり、化学工業や医薬品の分野など広く活躍しているが、残念ながらあまり知られていない。この本では、錯体の発見の歴史から身の回りにある錯体の例などを紹介。高校生にも理解しやすい内容だ。 (米田出版)



田んぼが電池になる! 小学生にもわかるハシモト教授のエネルギー講義

橋本和仁

この本は「小学生にもわかる~」となっているが、高校生にも読んでほしい本だ。第一時限の「エネルギーってなに?」から始まり、目次を見ただけでもワクワクする。太陽に関する話題、光合成の話題、光触媒を用いて光で水を分解する話題など、「グリーン・環境化学」の学問領域と多くのところで関係があり、専門書以外にあまり出版物のないこの分野では、貴重な本だ。ハシモト先生は、光触媒、微生物電気化学、人工光合成の研究の世界的な研究者だ。 (ウェッジ)



トコトンやさしい有機ELの本

森竜雄

低消費電力で薄くて軽量、発光が美しいと三拍子そろった有機EL。光る仕組みや、材料、作り方まで、一般向けに図解でやさしく紹介されている。高校生にも読み進めやすいだろう。有機ELの将来展望も述べている。 (日刊工業新聞社)



結晶とはなにか

平山令明

ダイヤモンドや水晶、ルビーといった宝石や、岩石、食塩の結晶など、結晶の形は美しい。本書は、結晶を化学の視点で見つめ、化学結合や状態変化、原子分子の配列など、化学の基礎に触れている。化学を単なる受験勉強の一つとしてではなく捉え、身の回りの現象を新しい視点から「考える」きっかけとなるだろう。第1章は、高校の化学と大学の物理化学との橋渡しとなり、第4章は「結晶はどのようにして作られるのか」は、そのメカニズムについて簡単に説明する。第5章では、実験研究に必要な基礎知識がわかる。 (ブルーバックス)



バイオセンサーのはなし

軽部征夫

バイオセンサーは、生体の分子識別機能を利用して化学物質を計測するもので、様々な分野で活用されてきている。血糖値センサー、免疫センサーなどバイオセンサーの研究領域は急速に広がっており、さらには環境、食品の分野へも拡大している。本書はバイオセンサーの研究を進める上で根本的な技術について概説、原理の理解につながる。この本をまとめた軽部征夫先生はバイオセンサーの第一人者。学長を務める東京工科大学はバイオセンサーの拠点であり、その先生方が中心に執筆している。 (日刊工業新聞社)



モルフォチョウの碧い輝き 光と色の不思議に迫る

木下修一

美しいモルフォチョウの、青く輝く色はどうやって生み出されるのか、その謎に迫る。日常の中で感じた不思議を、科学的な原理・原則により解き明かしていくという科学の大切な過程を読むことができる。モルフォチョウの色を人工的に再現しようとした挑戦も紹介。本書には構造色で発色する繊維の紹介があるが、構造色は繊維の新しい着色法として注目されている。構造色は、自然界では一部の虫や鳥、魚に見られ、微細な構造が光と相互作用して発色する現象で、一般的な染料にない美しい色調を持つ。繊維は太古から染料で着色してきたが、構造色を利用することで、今までにない美しい色が作り出せ、また、染料廃液による環境汚染などの課題が解消されると期待されている。 (化学同人)



永久運動の夢

アーサー・オードヒューム

身の回りにあふれている熱エネルギー、例えば、室温の空気がもっている熱。ここから動力を得るべく、苦闘した人たちの物語が描かれている。結局そのような装置は不可能であると諦めその後の科学技術が発展するが、新しい概念や技術が生まれるまでに、人がどのような悲喜交々の努力を展開するかを教えてくれる。物質、熱の移動、化学反応などの組み合わせで動く装置について、その装置に投入するエネルギー、生み出すエネルギーそれぞれの量を見積もり、産出量の方が大きくなるようにする。この思考は、化工物性・移動操作・単位操作の学問領域の分野である。 (高田紀代志:訳、中島秀人:訳/筑摩書房)



有機化学が好きになる

米山正信、安藤宏

創薬そのものを取り扱っている本ではないが、薬の大半が有機化合物であることから、薬自身ならびに創薬について知る上で、基本となる知識を習得できる。身の回りにある有機化合物について物語形式で書かれているため、とても分かりやすい。また、著者が高校の先生ということもあり、高校生でもわかるような言葉で説明されている。 (ブルーバックス)


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