知能ロボティクス

目指せ!ロボットタウン~ロボットが活躍できるインフラ整備を


木室義彦 先生

福岡工業大学 情報工学部 情報システム工学科/工学研究科 情報システム工学専攻

どんなことを研究していますか?

ロボットが人間と共生するには、ロボットにも動きやすい環境を作ることが大切です。例えば、日本は自動車社会ですが、高性能な自動車が開発されるだけではだめで、道路や法律が整備されたり、GPSやITSなどの新しい技術インフラが開発されたりすることが必要です。ロボットが人間社会で利用される環境を作るためには、同様のイノベーションが必要だと考えています。

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そのため、私たちは、環境側に、様々なデータを集めるカメラやセンサ、ロボットに与えるプログラムや情報、知識などを埋め込む「環境情報構造化プラットフォーム」の研究開発を、複数の機関と共同で行なっています。いわば、ロボットタウンを目指す研究です。

ロボット用のGoogle Mapを作ろう

埋め込まれた情報の中で重要なものの1つは、「地理空間情報」です。ロボットが地理空間情報を利用するために、「ロボット用のGoogle Map」のようなものが必要でしょう。Google Carや自動運転自動車など、十年前には、技術はあっても実用化はないと思われたようなロボット技術が、現在実際に利用されつつあります。もっといろいろな機械(ロボット)が、地図と連携するようになると思っています。

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環境内に配置されたセンサーなどから情報を収集し分析する

学生はどんなところに就職?

一般的な傾向は?
  • ●主な業種は→IT関連
  • ●主な職種は→システムエンジニア
  • ●業務の特徴は→プログラム開発

先生から、ひとこと

私が高校生の頃は、ロボティクス(ロボット工学)という言葉自体、大学の専門分野にはありませんでした。現在、私は、ロボット用の地図って何だろうという興味を持っています。ただし、ロボットの分野は研究速度が速いです。この研究はもう少しすると古くなってしまうでしょう。今、高校生の皆さんが、自分の中で、頭の中で興味があることを、ロボットとして実現させるにはどうすればいいのだろうと考え出したとき、新しい知能ロボティクスの分野が広がるかもしれません。

先生の学部・学科はどんなとこ

単科工業大学ですが、文系の学部があって、GIS(地理空間情報システム)に注力しようとしています。これから学際的な研究ができそうです。

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移動ロボット用に測量準備

先生の研究に挑戦しよう

バリアフリーマップなどありますが、実際の人の流れを調査するなど、実態を知り地図に反映させてみましょう。工学分野の研究に見えないかもしれませんが。

興味がわいたら~先生おすすめ本

まんがサイエンスシリーズ

あさりよしとお

小学校高学年向けの学習漫画シリーズで、テーマは、身の回りの科学、ロケットやロボットのしくみ、地球環境、人体の不思議など、多岐にわたる。何がどう不思議なのかをうまく説明している。難しいことをやさしく、やさしいことを深く、深いことを面白く、面白いことをまじめに、である。 (学研)


あのスーパーロボットはどう動く スパロボで学ぶロボット制御工学

木野仁ほか

スーパーロボット元祖・マジンガーシリーズのパンチ性能を評価!ガンダムハンマーの制御を分析!なぜスパロボは格好良く変形できる? アニメのスーパーロボットを、立命館大学ほかロボット工学の先生たちがロボット制御工学の観点からやさしく、深く、面白く、まじめに解説。 (金岡克弥:編/日刊工業新聞社)


本コーナーは、中高生と、大学での学問・研究活動との間の橋渡しになれるよう、経済産業省の大学・産学連携、および内閣府/科学技術・イノベーション推進事務局の調査事業の成果を利用し、学校法人河合塾により、企画・制作・運営されています。